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資金計画

不動産の仲介手数料はいくら?|中古マンション購入で損をしないための基礎知識

不動産の仲介手数料は上限が定められています。本記事では計算式(3%+6万円)と2024年改正の特例、支払時期、交渉時の注意点を整理し、中古マンション購入で損しない判断軸を解説します。

全体像から見直すなら マンション購入の資金計画|予算・住宅ローン・諸費用を整えるガイド へ。

不動産の仲介手数料は、中古マンション購入の諸費用のなかでも金額が大きく、かつ「3%+6万円が上限なのか固定なのか」で迷う人が多い費目です。一言でいえば、上限であり、固定ではありません。しかし、実務では上限額で請求されるケースがほとんどであり、東京23区の6,000万円物件なら税込204.6万円が目安になります。

この記事でわかること:

  • 「3%+6万円」が何の数字なのか(速算式と段階料率の関係)
  • 2024年改正(令和6年7月1日施行)の低廉な空き家等特例の要点
  • 支払いタイミングと媒介契約で確認すべきこと
  • 値引き交渉のリスクと「買い逃し」とのトレードオフ
  • 6,000万〜1億円の価格帯別シミュレーション

結論:仲介手数料は「上限」があるが、支払額と納得感は契約条件で変わる

「3%+6万円」は400万円超の速算式

「3%+6万円」という数字は、不動産売買価格が400万円超のときに使える速算式です。宅地建物取引業法第46条(e-Gov法令検索)に基づく国土交通省の報酬告示(報酬告示・令和6年7月1日以降版)によって上限が規定されており、この速算式は段階料率(後述)を一本化した計算の近似値です。

速算式:売買価格×3%+6万円=手数料上限(税抜)

たとえば6,000万円の中古マンションであれば、6,000万円×3%+6万円=186万円(税抜)/204.6万円(税込・税率10%)が上限額です。

上限=必ずその金額、ではない

上限はあくまで法定上限であり、それ以下で請求することは合法です。無料仲介や半額仲介を標榜するサービスも存在します。ただし、東京23区の実務では上限額で請求されるケースが圧倒的多数です。手数料が割引になる場合は、その理由(両手仲介前提、売主側から報酬受領済みなど)を確認することが重要です。

手数料率だけでなく、成約確度も比較する

仲介手数料を「安くする」視点だけで動くと、担当者のモチベーションや情報取得力が下がり、競争の激しい物件で買い逃すリスクが生じます。6,000万〜1.5億円帯の東京23区中古マンションでは、検討から買付まで数日での判断が求められる局面が多く、信頼できる担当者との関係性が取得成功率に直結します。購入時の諸費用を総額で整理する方法はこちら(マンション購入の諸費用)


仲介手数料の計算方法(段階料率と速算式)

段階料率(200万円以下5% / 200万円超400万円以下4% / 400万円超3%)

報酬告示では、売買価格を3段階に区切って計算します(2026-03-03時点):

売買価格帯率(上限)
200万円以下の部分5%
200万円超〜400万円以下の部分4%
400万円超の部分3%

段階料率を実際に計算すると、200万円以下部分:最大10万円 / 200万円超〜400万円以下部分:最大8万円 / 400万円超3% + 端数調整となり、これを合計すると「売買価格×3%+6万円」という速算式に収束します。

速算式(売買価格×3%+6万円)

400万円超の物件に適用可能な速算式:

手数料上限(税抜)=売買価格×3%+6万円

消費税10%込みでは:

手数料上限(税込)=(売買価格×3%+6万円)×1.1

出典:国土交通省 報酬告示(令和6年7月1日以降版)/2026-03-03時点・売買価格ベース・税抜基準

価格別シミュレーション(3,000万 / 6,000万 / 8,000万 / 1億円)

以下は税率10%、400万円超の速算式を適用した場合の目安です(2026-03-03時点)。

売買価格税抜上限税込上限(10%)
3,000万円96万円105.6万円
6,000万円186万円204.6万円
8,000万円246万円270.6万円
1億円306万円336.6万円

東京23区の中古マンション購入では、8,000万〜1億円台の仲介手数料は270万〜340万円前後になります。諸費用全体のなかでも最大級の費目であるため、物件の資産価値と費用対効果を先に把握しておくことが予算設計に役立ちます。


2024年改正の要点:低廉な空き家等の媒介報酬特例

令和6年7月1日施行の改正ポイント

国土交通省は令和6年7月1日付で報酬告示を改正し(報酬告示 新旧対照表)、低廉な空き家等に係る媒介報酬の特例上限を「400万円以下」から「800万円以下」に引き上げました

この特例では、売買価格が800万円以下(令和6年7月1日以降)の物件について、売主から受け取る媒介報酬の上限を30万円(税抜)まで引き上げることができます。

旧基準(400万円以下)からの変更点

項目改正前(〜令和6年6月30日)改正後(令和6年7月1日〜)
対象売買価格400万円以下800万円以下
売主側の報酬上限18万円(税抜)相当30万円(税抜)
買主側への適用なしなし(売主側のみ)

よくある誤解(対象・上限・買主側の扱い)

  • 誤解①「800万円以下なら手数料が安くなる」:特例は売主側の報酬上限を引き上げる規定であり、買主が安くなるわけではありません。
  • 誤解②「買主側にも適用される」:この特例は売主から受け取る報酬のみが対象です。買主側の報酬計算は通常の速算式を適用します。
  • 誤解③「800万円以下の物件は一律30万円」:売主からの報酬が上限30万円に拡大されるだけで、買主からは通常の上限(速算式ベース)が適用されます。

東京23区の中古マンションは800万円以下の物件がほぼ存在しないため、この改正が直接影響するケースは限定的です。ただし郊外・地方物件と並行検討している場合は確認が必要です。


支払いタイミングと契約実務で確認すべき点

一般的な支払い時期(契約時/引渡時)

仲介手数料の支払い時期について、報酬告示では「売買契約成立時」と「引渡し完了時」の2回に分けて半額ずつ受け取る慣行が一般的です(出典:国土交通省 標準媒介契約約款(令和6年4月1日以降)PDF・2026-03-03時点)。

  • 契約時(売買契約締結時):仲介手数料の半額
  • 引渡し時(決済・所有権移転時):残り半額

資金計画では、売買契約時にまとまった現金が必要になる点に注意が必要です。6,000万円物件なら契約時に約102万円(税込)を用意することになります。

仲介手数料と諸費用をまとめて整理し、予算内での最適な購入計画を無料で確認できます。→ 購入予算を相談する

媒介契約書で確認すべき3項目

標準媒介契約約款(国土交通省制定)を使用している場合でも、締結前に以下を必ず確認してください:

  1. 報酬額の記載:速算式の上限額が明示されているか。値引きがある場合は金額を記載させる
  2. 支払時期:「契約時半額・引渡時半額」か「全額引渡時」かを確認。契約書に明記がない場合はトラブルになりやすい
  3. 特約の有無:「調査費・広告費の実費」など追加請求につながる特約が入っていないか

中古マンション購入の実務的な注意点はこちらで詳しく解説しています。

仲介手数料以外に発生する主な費用

仲介手数料と並んで大きな費目として以下があります(目安:2026-03-03時点):

  • 登記費用(所有権移転・抵当権設定):30万〜80万円程度
  • 不動産取得税:固定資産税評価額×3%(軽減措置あり)
  • 住宅ローン関連費用(保証料・事務手数料等):30万〜100万円程度
  • 火災・地震保険:物件・補償内容による

マンション購入の諸費用全体の内訳と支払いスケジュールもあわせて確認することで、資金計画が精度高く立てられます。


手数料を抑える方法と、やりすぎ交渉のリスク

値引き交渉が通りやすい条件 / 通りにくい条件

通りやすい条件の目安:

  • 競争が少ない物件(一定期間売れ残っている、売主の事情で早期決済を希望)
  • 複数案件を同時検討しており、会社への継続利用が見込める場合
  • 担当者との関係性が構築できており、交渉のタイミングが商談初期でなく物件絞り込み後

通りにくい条件の目安:

  • 人気エリア・新規公開物件で複数買付が想定される
  • 売主側とのつながりが強い担当者(両手仲介で売主側も担当)
  • 商談開始直後やまだ信頼関係が構築されていない段階

両手仲介・片手仲介の違い

区分内容報酬構造
両手仲介売主・買主の両方を同一業者が担当売主側+買主側の報酬を両方受領(最大2倍)
片手仲介売主側と買主側でそれぞれ別の業者が担当各社が一方の当事者から報酬受領

両手仲介は業者の収益が高くなるため、囲い込み(他業者への情報非開示)の懸念が指摘されます。一方、買主の立場からは「担当者が物件情報を深く把握している」「交渉が一元化される」利点もあります。どちらが優れているかは物件・担当者次第です。

中古マンション公開情報の見方と囲い込みの見分け方で、実務的な判断基準を解説しています。

「手数料差」より「買い逃し回避」を優先すべきケース

東京23区の6,000万〜1.5億円帯の中古マンションでは、良質な物件が1〜2週間で買付が入るケースが珍しくありません。手数料を10万円値引きさせることに時間とエネルギーを費やし、担当者との信頼関係を損なって内覧日程が後回しにされたり、競合買付時に後押ししてもらえなくなるリスクがあります。

目安としての考え方:

  • 仲介手数料の差額が30万円未満であれば、成約確度への影響の方が大きい可能性
  • 値引き交渉を行うなら、契約前の早いタイミングではなく、買付申込時にセットで交渉するのが現実的

FAQ

Q. 仲介手数料は必ず「3%+6万円」ですか?

いいえ。「3%+6万円(税抜)」は400万円超の物件に適用できる上限の速算式です。法令上はこれを下回る金額の設定が可能です。実務では上限額が請求されるケースがほとんどですが、割引サービスを提供する業者も存在します。

Q. 仲介手数料はいつ払うのが一般的ですか?

売買契約締結時に半額、引渡し(決済・所有権移転)時に残り半額を支払う慣行が一般的です(国土交通省 標準媒介契約約款 令和6年4月1日以降版 参照・2026-03-03時点)。全額を引渡し時にまとめて支払う形を認める業者もいますが、契約書に支払条件を明記してもらうことが重要です。

Q. 値引き交渉はした方がいいですか?

状況次第です。競合が少なく時間的余裕がある局面では交渉の余地があります。一方、東京23区の人気エリア・人気物件では担当者との関係性の方が取得成功に直結するため、無理な値引き交渉は逆効果になりうる点に注意してください。


手数料・諸費用・価格交渉をまとめて総額最適化する

仲介手数料は諸費用の一部にすぎません。登記費用・取得税・ローン費用・管理修繕積立金などを含めた総額で資金計画を立てることが、購入後に「現金が足りない」「想定外の支出があった」を防ぐ最善策です。

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